染まる。

 朝、まだ空も寝静まる頃。
 私の隣で、みのりが走る。
「みのり、こんな朝早くから大丈夫?」
「うん! ちょっと眠いけど、遥ちゃんが一緒だから!」
 浅く息を吐きながら、頑張り屋の彼女が隣で笑う。
 早まる鼓動はきっとランニングのせいじゃない。

 昼、待ちに待った昼食の時間。
 私の隣で、みのりが食べる。
「みのりちゃん、そんなご飯で大丈夫? アタシのパン食べる?」
「ううん、大丈夫だよ! 遥ちゃんを参考にしながら、わたしも食事を意識していこうと思って……!」
「みのり、すごいね……。私も、たまには焼きそばパン以外も買った方がいいかな……」
 目をきゅっと瞑りながら、苦手なブロッコリーにも挑戦するみのり。
 その姿はとってもかっこよくて、そして、とっても可愛い。

 夕方、日も傾き始めた屋上の時間。
 私の隣で、みのりが踊る。
「みのりちゃん、今日はいつものラッコさんTシャツじゃないのね」
「あ、うん! 遥ちゃんがくれたから、せっかくだし着てみようって思って!」
「とっても似合ってるわ! さすが遥ちゃんね」
「……ふーん」
「な、何? 愛莉。こっち見てきて」
「別に? 遥ってそういうところあるわよねーって思っただけ」
「……まあ、否定はできないけど……」
 彼女のために選んだ服はやっぱり似合っていて。
 それが、少しだけ誇らしかった。

 夜、誰もいない家、部屋の隅っこ。
 私の隣で、みのりが――。
「はるか、ちゃん……」
「……みのり、嫌な時は素直に言ってね」
 ……首筋に、右手に、腰元に、大腿に。
 広がる紅は確かに私の色。……私の痕。


 1日、また1日。重なっていく時間の中で。
 大好きなみのりが、少しずつ私に染まっていく。
 それは嬉しいようで、同時に、戻れない気がして怖いようで。
 それでも、もう今更やめられない。
 だって……私はとっくの昔に、あなたに染まってしまったから。


 だから、あなたも。
 もっともっと私色に染まれ。

- Afterword -
2021/05/06 「みのはる100ラリー」43本目

……この時期、こういう雰囲気の作品すごく多いですね。
本当に疲れていたのでしょうか?
あるいは誰かから悪い影響でも受けてた?
……どちらも心当たりがあるのが悲しいところです。

個人的には今の私の好みの雰囲気ではないので違和感がありますが、
これも確かに私が生み出した作品というのは、なんか不思議な感覚ですね。
時間が経てば人は変わると、改めて実感します。