天使におやすみ

 ……やっと、企画書が1つ纏まった。
 時計を見たら、深夜1時。さすがにちょっと眠くなってくる時間帯。……だけど、できればもう一つの案もこのままの勢いで企画書に起こしてしまいたい。
 いつもなら無理せずに明日に回すところだけど……幸い、明日は1日オフだし、もう少しだけ頑張ろう。
 眠気をごまかすためにコーヒーを入れようと席を立つ。

「はるかちゃん……?」
 そこで、みのりがもそもそとベッドから出てきた。ほとんど目が空いてないみのりの顔が、可愛い。寝ぼけてるみのりはいつもこんな顔になる。

「ごめん、起こしちゃった?」
「ううん……だいじょうぶだよ……?」

 ……ほとんどろれつが回ってない。物音で少し目が覚めただけで、実際はほとんど寝てるようなものなんだと思う。……なんだか、悪いことをしちゃったな。

「ごめんね、みのり。もう少しだけやりたいことがあるから、私は気にしないで先に寝てて……」
「はるかちゃん」

 改めてコーヒーを取りに行こうと背を向けたところを、みのりに捕まってしまった。
 後ろからもたれかかるように抱き着かれて、身動きがとれない……。

「み、みのり」
「だめだよ、はるかちゃん……よふかししたら……」
「別に、夜更かしってわけじゃないんだけど……」
「だーめ。だからー……」


 そのまま引っ張られるように、ベッドの上に倒される。
 ……もこもこのお布団が、あたたかくて、きもちいい。

「きょうはもうおやすみ、しよ……?」

 眠りながら、みのりがそう、やさしくささやく。
 ……なんだか、私もつられてどんどん眠くなってきた。みのりのあまい声が、子守歌みたいに私をつつみこんでくれて……。
 ……うん、べつに急いでるわけでもないし……つづきは明日でも、いいかも……。

「……ふわぁ……」
「はるかちゃん、かわいいあくびだね……ふあぁ……」
「ふふっ……みのりのあくびも、かわいい……」
「えへへ……」

 ……ああ、やっぱり、みのりはかわいいなぁ。みのりといっしょに寝れて、私はしあわせものかも……。
 ……なんて、思いながらわたしたちは……ふわりとふたり、夢のなかに、おぼれていった……。

- Afterword -
2021/05/23 「みのはる100ラリー」65本目

普段、特に最近は1,000文字を切るような掌編を書くことは少ないのですが、
この作品は916文字。今では珍しい掌編作品ですね。

短い作品ではありますが、昔の私だからこそできてた表現などもあって、
結構好きな作品ではあります。
最近は一人称でもキャラクターの口調や考え方を意識しきれていないところもあったりするので、
こういうところは昔の自分を見習っていかなければいけませんね。